秋も深まり山も紅葉に染まる頃、銀山温泉にあるこけし工房を訪ねた。懐かしい町並みが残る銀山温泉の一角に、その工房はある。伊豆こけし工房である。中に通されると二代目、伊豆護氏が迎えてくださった。何者にも真似できない腕を持った匠のまなざしは、実に穏やかだった。早速誕生こけしの製作を見せていただいた。初孫のために作ったのが最初だと匠は懐かしそうに笑う。今でもたくさん注文がくる誕生こけしの製作部屋に二つ仲良く並んでいる。世界にたった一つの記念こけし。僕は匠のまなざしに吸い込まれていった。
誕生こけしは日本各地から注文が届きます。ご相談もできますので、是非一度お電話されてはいかがでしょうか。また温泉入り口工芸館では、絵付け体験も行えます。 (スタッフ絵付け体験記を後日公開いたします。)
伊豆こけし工房オフィシャルサイト http://www.izu-kokesi.gr.jp/
昔、世間をとりこにしたドラマがあった。今なお世界中にファンを持つそのドラマは、山形が舞台だった。 橋田寿賀子の小説「おしん」である。 驚異的な視聴率を誇ったこの連続テレビ小説に、なくてはならないものがある事を皆さんはご存知だろうか。それは「こけし」である。ドラマ中、酒田の米問屋に子守奉公に行くおしんが、銀山温泉で働いている母親を訪ねた時、母親から買ってもらったのが「銀山こけし」。おしんは心の支えに、このこけしを母さんだと思い、こけしに語りかけては、けなげにも成長していきます。しかし、この「銀山こけし」をそのまま放送してしまったのでは問題がありました。なにせドラマの放送局はNHKです。紅白歌合戦では一般企業の名前が歌詞に含まれる場合、作詞しなおさせるNHKです。「銀山こけし」も特定の企業を宣伝してしまう事になるからと、新しいこけしを作ることになりました。そこで白羽の矢が二代目にたちました。伝統的な「銀山こけし」の髪型を変え、「おしんこけし」として製作したのです。これが「おしんこけし」の始まりです。
誕生こけし生みの親、伊豆護氏。はじめは孫のためだけに作られたため、販売する事も頼まれて作る事も考えていなかったという。当時、知り合いの新聞記者が伊豆さんのもとを訪れた際、「これは珍しいこけしだ。ぜひ紹介させてほしい」とお願いされたそうだ。新聞に掲載されると、たちまち反響の声が届き電話が鳴り響いた。電話の声は「私の孫にも作ってほしい」というものがほとんどだったが、氏はこう応える。「私は私の初孫のために作ったので、販売することは考えていません。」しかし電話の主はこう続ける。「そんな事を言わないで、是非お願いします。」これ以上断ることは出来なかった。 氏は、一体一体異なる「世界にひとつだけのこけし」を製作していくことになる。こうして誕生こけしは伊豆こけし工房二代目の手によって生まれた。
世界にひとつの記念となる誕生こけし。親御さんの想い、二代目と三代目の想いがこめられています。その誕生こけしが割れるような事があってはいけません。まして光り輝くこけしにフシ目があってもいけません。伊豆こけし工房ではこうした事がないよう、厳選した樹のみを使用しています。妥協することなく一体一体丁寧に製作していきます。
お店にいけばお土産品も購入することができます。なかなか銀山まで足を運ぶことができない方のため、「おばネット」では伊豆こけし工房さんからたくさんの商品をお預かりしてまいりました。こちらの商品をオンラインショッピングにてご提供いたします。 (商品が売り切れ、または在庫確認の場合もございます。商品が見当たらない場合は伊豆こけし工房、またはおばネット運営者までお問い合わせくださいませ。)
お買い求めは是非おばネットで!:尾花沢ショッピングサイト「おばネット」
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